ストレスの少ないトウシューズ

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なにげない会話から「トウシューズを作ってみないか?」と友人から言われて始めた開発。

全く未知の世界だったバレエ。周囲にダンサーもおらず途方に暮れている所、ある方よりダンサーを紹介して頂きヒアリングをすることに。そこで靴業界に入って25年目にして初めて知る衝撃!トウシューズには左右がない!

その方のご厚意で大量の使用済みシューズをご提供いただき持ち帰りましたが、少し違和感が。中にはほとんど新品の商品も混じっており「これは新しいのでお返しします」と言ったら「購入して履いて合わなかったら新品でも使えないのです」という事にさらに衝撃を受けました。

分解してみて理由がわかりました。 

昔ながらの方法で製造されている為に一足ずつの個体差が激しく、前回購入したものが良くて同じ商品を購入しても使用感が全く違うことはトウシューズではよくある事だそうです。そして購入するときの試し履きにも様々な制約があるらしく、自分の足に合うトウシューズを見つける為にダンサーが多くのストレスを感じながらギアを選択している現状を鑑みて、靴工場としてダンサーに寄り添いダンサーがストレスなく商品を選べる状況を少しでも作れないかとの思いで開発を開始しました。

 

 

解決したい問題点 1

自分に合うトウシューズになかなか出会えない 

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個体差をなくす事でトウシューズを選びやすくしたい

 

解決したい問題点 2 

②手作りで芯材が柔らかく軸が安定しない 

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 形崩れしにくい芯材を使用する事で立ちやすくしたい 

  

 

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2020年12月 ついに木型が完成!

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何度も修正を重ねた木型(ラスト)。つま先部分の面積を調整、床に直立する形が出来ました。ポアントで立つ時の安定感が大きく足への負担も少ないトウシューズへまた一歩近づきました。

 

 

 

ー現在までの開発ー

2020年2月 第一回ヒアリング  

ギアにこだわりがあり、ご自身でも解剖学など多くの研究をされている(靴屋の私より詳しかった。。。)講師の方のお話を伺う事ができ、ダンサーのギア選びの現状や実力に応じて使用するギアの選択も変わるという事を学ぶことができました。

 

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2020年3月 提供商品分解および分析開始

ご提供頂いた各種ブランドのトウシューズを分解、基本構造と材料の使い方、そしてトウシューズの基本を分析。

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2020年4月 材料調達ルートの選定開始

既存メーカーの採用している製造方法や部材は、国内では採用が困難であるとの判断より独自の部材採用と試作を開始。爪先の硬化部材に医療用品や建築部材を流用出来ないかなどの試行錯誤を繰り返しました。

 

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2020年8月 第一号見本完成さらなる改良点を分析

既存品の部材を流用してなんとか第一号プロトサンプルの作成を終了!確信がない状態でしたが、スタジオテストを行い既存品との性能比較評価を依頼。

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2020年8月 第一回スタジオテスト

既存品に比べて50パーセントの出来栄えとの評価。作り込んでいくうちに当初想定より外れてしまった部分の修正を開始。

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2020年9月 基礎設計大幅改善中!

靴作りの原点である木型(ラスト)の大幅な修正。6回目の修正です。この木型が直立に立つ状態に重量バランスを配置することと、つま先部分の面積をスタジオテストで頂いたコメントに合わせるべく大きくすることで安定感を増せるような設計に改良中!

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